勝ったんだよ、私たち・・・



あの強敵ヴァンを、倒すことが出来た。
これで、ローレライが開放できるんだ。
これで、この世界は預言から開放されるんだよ?


あぁなのにどうして・・・?




誰よりもこの結果を望んでいた貴方はもういない。
散々預言に振り回されたてきた貴方はもういない。
やっと自由になれるのに。
それなのに、貴方は一人旅立ってしまった。
私たちの手の届かないところまで、駆けていってしまった。




あぁどうして・・?
一番伝えたい人なのに。
肝心なことを伝えられない。
貴方の喜ぶ顔が見たかったのに。
そのために私は頑張ってきたのに・・・



ねぇどうして?
どうしていつも貴方は私の先を行ってしまうの?
いつも守ってくれた貴方を、今度は私が守ろうと思ったのに。
それはまったくの別人で、貴方はそのとき一人で苦しんでいた。
今度こそ・・・と、私は戦って。
やっとここまでこれたのに・・
貴方はすでにここにはいない。






ねぇ、聞いて。
私は貴方に一番に伝えたかった。
この世界は預言になんて縛られなくていいってこと。
そんな自由な世界が訪れたんだってこと。
貴方に伝えたかった。
貴方とそんな未来を歩みたかった。
それをずっと信じていたのに。






私たちは勝ちました。
貴方がいてくれたから、私たちは彼を倒すことができました。
貴方の力のおかげで、私たちの未来と自由を勝ち取ることが出来ました。





ねぇ聞こえてる?
ねぇ答えてよ。
昔みたいに、優しく頭を撫でて・・?














私の大切なお兄様――――













私が守りたかったのは世界じゃなくてお兄様たちと一緒にいられる未来だったのに